歌舞伎俳優の中村福助（５２）が４日、東京・国立劇場で同劇場の３月歌舞伎公演「通し狂言　隅田川花御所染（すみだがわはなのごしょぞめ）‐女清玄‐」（５～２６日）の通しげいこに参加し、肺炎のため名古屋・御園座の舞台を休演した市川猿翁（７３）に激励のエールを送った。

　福助は「（市川）中車さんと度々メールさせていただきまして、今は状況も落ち着いていらっしゃって、そんなに心配するほどじゃないってことです」と猿翁の息子で俳優・香川照之（市川中車）とメールのやりとりをしていることを明かした上で、現状を報告。

　「新歌舞伎座開場の舞台に絶対立っていただきたい。スーパー歌舞伎で新歌舞伎座出ていただきたい。中車さんとの親子共演も是非見てみたいです」と猿翁の復帰を強く願った。

　舞台は鶴屋南北原作。美しい尼僧・清玄尼が恋におぼれ、乱れ狂い、やがて破滅していくという物語。当代きっての女形・福助が初役で女の業を描き出す。なお、同公演では歌舞伎界初の試みとして、アフタートークショーと若手歌舞伎俳優との撮影会も開催する。

　ほかに出演は中村錦之助、福助の長男・中村児太郎、錦之助の長男・中村隼人ら。