彩風&夢華『ベルばら』で様式美に挑戦
宝塚歌劇団雪組新人公演「ベルサイユのばら~フェルゼン編~」が7日、兵庫・宝塚大劇場で行われた。
主人公のフェルゼンはこれが5度目の新人公演主演となる彩風咲奈(あやかぜ・さきな)が演じた。これまで何度も再演を重ねられた宝塚の名作で、様式美の世界だけに、セリフ回しなどに苦労する生徒が目立つ中、彩風はセリフ回しや手の動き、立ち姿にもこだわった堂々とした貴公子ぶり。それでも「これまで4回、真中に立たせていただきましたがその経験を全部ぶつけても歯が立たなかった。自分の至らなさを実感しました」と唇をかんだ。
またヒロインのマリー・アントワネットを演じたのは夢華あみ(ゆめか・-)は、入団年の2010年に「ロジェ」で新人公演ヒロインを務めて以来、2度目。だが本公演「ロミオとジュリエット」では、大地真央の相手役を務めた黒木瞳を超えるスピードで大劇場ヒロインを務めるなど、こちらも経験は十分。進行の都合で今回オープニングの歌がカットされたため、得意の歌を聞かせるチャンスはほとんどなかったが、まろやかな声と押し出しのある演技でロココの女王を体現した。しかし彩風同様「様式美なので見え方にもこだわらないといけないのに…感情が入り過ぎて、そこまで気が回りませんでした」と反省を口にしていた。