津川夫妻の長女誘拐事件のドキュメント
俳優・津川雅彦と女優・朝丘雪路の長女・真由子ちゃんが生後5カ月で自宅から誘拐された衝撃の事件。津川は犯人逮捕後に朝丘と緊急会見を開き、ひげぼうぼうでやつれきった姿で、「真由子に心から申し訳ない…。僕と彼女が寝ている間に連れ去られるなんて間抜けな親です」と涙を流しながら話した。事件をドキュメントで振り返る。
▼1974年8月15日午前2時半ごろ
東京・世田谷区の自宅2階ベビーベッドから付き添いの看護婦が眠っているすきに真由子ちゃんが男に連れ去られる。看護婦は夢うつつで気配を感じていたが、カラーシャツの印象から津川と勘違いした。
▼同3時10分
看護婦が真由子ちゃんが戻らないのに気付き、津川夫妻に確かめ大騒ぎに。世田谷署に110番通報。
▼同4時1分
男から脅迫電話。捜査員が「津川です」と応対。犯人は、警察に知らせると真由子ちゃんの命が危険だと脅し、身代金500万円を要求。銀行と口座番号を指定して電話を切る。この間、約6分。(初動捜査の段階で、電話の逆探知、犯人の声の録音もできず)
▼同11時半
捜査本文は犯人にまず50万円支払うことを決め、指定銀行の支店や主要駅などにある現金支払機に捜査員を緊急配置。
▼16日午後0時13分
銀行のコンピューターが29万円の引き出しを表示。所員が直ちに110番通報。
▼同19分
払戻所近くにいた若い男を確認し、職質。所持品検査の結果、朝丘雪路の名刺も出てくる。
▼同午後7時15分
犯人は千葉県我孫子市に住む無職の男で、妻子がいることが判明。犯人が「赤ん坊(真由子ちゃん)は女房がみている」と自供。犯人宅で真由子ちゃんが無事に保護される。