津川雅彦 長女誘拐事件語る
俳優の津川雅彦(73)が2日、都内で、拉致問題啓発ポスターの発表会に登場した。政府からの依頼でモデルを務めた津川は、1974年に自身の長女が誘拐された事件に触れて、「子をさらわれた親の気持ちで問題に関心を持っていただければ、大きな力になる。私は5カ月だった娘が誘拐されたことがございまして、拉致問題は我がことと思える人間です」と切実に訴えた。
「親の愛は、世界を動かす。」などと記されたポスターは、全国の鉄道各駅や国の公共施設など16万カ所に掲示されるという。
古屋圭司拉致問題担当相は、「今朝、総理にお見せしたところ、非常に感心して『迫力が素晴らしい。国民のみなさんに通ずる』とコメントをいただきました」と安倍晋三首相の言葉を紹介。拉致被害者家族の横田滋さんも、「北朝鮮への怒りと同時に優しさも出ていて、これ以上ない立派なものを作っていただき、感謝してます」と話していた。
津川の愛娘・真由子ちゃんに対する溺愛ぶりは有名。10年前、津川は誘拐事件を振り返り、「芸能人でなきゃあんなことにはならないと思い、オレは父親やらなきゃいけない、と切実に感じた」と話していた。
【津川雅彦・朝丘雪路夫妻の長女誘拐事件】
1974年8月15日未明、東京・世田谷区の自宅から生後5カ月の長女・真由子ちゃんが連れ去られる誘拐事件が発生。犯人は500万円の身代金を要求し、警察に通報すれば命に危険が及ぶと脅迫。真由子ちゃんは41時間後に無事保護された。