片岡孝太郎 勘三郎さん後押しで映画に
歌舞伎俳優の片岡孝太郎(45)が23日、自身が昭和天皇を演じた米映画「終戦のエンペラー」(27日公開)のPR会見を大阪松竹座で行った。出演オファーを受けた2年前、故・中村勘三郎さんに後押しされて「映画に出演することを決めた」と明かした。
撮影は昨年1月末から3月末までニュージーランドで敢行。孝太郎は口ひげを生やし丸眼鏡をかけ、昭和天皇のようないでたちで勘三郎さんにあいさつに行ったという。勘三郎さんは「(昭和天皇に)似てるよ、君」と言って感心していたという。勘三郎さんは昨年12月に他界し作品を見てもらうことはかなわないが、「(勘三郎さんの息子の)勘九郎君や七之助君に作品を見てもらって『親父がこれを推薦して、兄ちゃん(孝太郎)が(俳優としての仕事を)やってきた』と思ってもらえれば」としのんだ。
「終戦‐」は、戦後のアメリカ占領下の日本を描いた作品。マッカーサー元帥をハリウッドの大物俳優、トミー・リー・ジョーンズ(66)が演じた。マッカーサーと記念撮影するシーンでは「(トミーと)見つめ合ったんですけど目線を外したら、この後の日本を立て直すのに負けるという陛下の気持ちと、トミーに負けるという役者の思いが重なりました。目線は彼が先に外したと思います。ちょっと戦ってきました」と胸を張った。
また孝太郎は撮影中、「トミーが大学の時に歌舞伎を専攻し、来日すると歌舞伎を見ている」ことなどを話したり親交を深めたという。「(トミーがしている)缶コーヒーのCMでの共演狙ってます」と虎視眈々(たんたん)だった。