河内家菊水丸 「三陸海の盆」に参加へ
伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸(50)が9日、大阪市内で「第3回 三陸海の盆」(11日・岩手県大船渡市)に3年連続で出演することを発表し、また東日本大震災の被災地に寄贈する太鼓を披露した。
昨年12月に甲状腺がんの手術を受け、今春から活動を再開した菊水丸は「元気に行けるのはうれしい限り」と笑顔を見せた。
菊水丸は「河内音頭には亡き人を弔うテーマがあり、震災の映像を見るにつけ、盆踊りなどで何かお役に立ちたいと考えていた」という。11年、東日本大震災の犠牲者を供養する「三陸海の盆」の合同大祭が立ち上がることを知り、参加を決意した。
現地では、津波で太鼓が流され、タイヤにビニールを張って練習をしていることを知り、かねて親交のある太鼓製作会社「太鼓正」に相談。同社の協力で昨年、初めて太鼓を寄贈することが実現した。この日披露された太鼓は、ワインレッド色で木目が美しく、前面に菊水丸が復興を願って書いた「復興太鼓 大阪から東北へ」の文字が彫らている。「まさか、自分が書いた文字が前にあるとは。太鼓は、高級国産車が買えるぐらいの値段はしますね。僕らも欲しい」と絶賛した。
11日に大船渡市で叩き初めをする。「甲状腺がんで一度は失いかけた人生。思い切って声を張り上げて歌ってきたい」。