「圭子の夢は夜ひらく」などのヒット曲で知られる歌手の藤圭子さんが２２日午前、東京都新宿区のマンションの高層階から転落し、死亡した。

　警視庁新宿署は飛び降り自殺を図った可能性があるとみて慎重に調べている。

　藤さんは歌手宇多田ヒカルの母。１９５１（昭和２６）年７月、岩手県生まれ、６２歳。小学生のころから歌手としてスタートし、６８年に上京。６９年「新宿の女」でデビュー。７０年、低い声で歌う「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒットした。７９年に引退して渡米。その後、復帰したが、宇多田がメジャーになった後もあまり表舞台に出ることはなかった。

　藤さんがデビューしたころから５年間、マネジャーを務めた成田忠幸さん(61)がフジテレビ系のワイドショー「アゲるテレビ」に電話出演し、「強い芯を持っている人。びっくりした。こういう形で終わるとは」と悼んだ。

　親交のあった歌手、八代亜紀は読売テレビ系の情報番組「情報ライブ　ミヤネ屋」に出演。「昭和４０年代から５０年代にかけてテレビの歌番組でいつも一緒だった。逆境に強い人なのに信じられない」と語った。