麒麟川島 やなせ氏との秘話を明かす
お笑いコンビ「麒麟」の川島明が16日、自身のツイッターで、13日に死去した人気漫画家・やなせたかしさん(享年94)を哀悼した。川島は亡くなる約1週間前に、ブログ「なんとなくにっき」でやなせさんとの秘話を明かしたばかりだった。
ツイッターで「一週間ほど前にこのブログ(※7日付け)を書いたところでした。現場に来られるだけで周りがあたたかな気持ちになれる太陽のようなお方でした。最後まで現役で走り続けられた先生、安らかにお眠りください。合掌。」と偲んだ川島。ブログでは、08年3月に発売した麒麟の単独ライブを収めたDVD「ジラフ(giraffe)」で、やなせさんにジャケットのイラストを依頼した際の秘話をつづったばかりだった。
ブログによると、DVD発売にあたり、「漫画家さんに自分達のイラストを描いてもらえないか」と考えた川島は、漫画家諸氏との何のコネもつながりもなく、悩んだ末に「直談判」を決意。様々な漫画家プロダクションに2人が直接電話をかけて「『麒麟のイラストを描いてもらえないか』と恐れを知らずに交渉しました」。
しかし、結果は「そんなのできません」「事務所から正式に依頼をしてください」「イタズラ電話でしょうか?」と当然相手にされず、無謀すぎた、と諦めかけた時、やなせさんの事務所から電話があったという。
「先ほどお電話いただいた件なんですが作者に相談しましたところ前向きに考えてくれるそうです」
この時の心境を川島は「受話器を持つ手が震えました」と振り返った。
先方からは「真剣な気持ちを手紙にしたためて事務所に送っていただけないでしょうか?それを読んで最終的に本人が判断してくれるそうです」と返事をもらい、2人は一生懸命手紙を書いたという。
そして10日後。やなせさんから麒麟の2が動物のキリンになっている似顔絵が届いた。川島は「作品の持つその圧倒的パワーに自然と涙が溢れました。」とその時の感動と感激を表現した。
後日、お礼を言いに、やなせさんのスタジオを訪れ、感激のあまり動けなくなり直立不動となった2人に、やなせさんが投げかけた第一声は「田村さん、あなたエクレアに似てるねぇ」だったという。
ブログが書かれたのはやなせさんが亡くなる1週間前の今月7日。やなせさんの温かい人柄が伝わる麒麟とのエピソードとなっている。