山田洋次、すまさん哀悼「好きだった」
山田洋次監督(82)が9日、肝臓がんで78歳で亡くなった俳優・すまけい(本名・須磨啓)さんを「大好きな俳優の一人。いなくなるのはとても悲しい」と悼んだ。山田監督は同日、大阪市内で、最新作「小さいおうち」(来年1月25日公開)のPR会見を主演の松たか子(36)、倍賞千恵子(72)とともに行った。
独特の存在感で知られ、「アングラの帝王」と呼ばれたすまさんは、山田監督作品「キネマの天地」や寅さんシリーズ「男はつらいよ」などに登場した。「寅さんには4、5回出てもらった。あの人が出ると映画全体が温かくなる。ユーモラスで優しい。得難いキャラクター」と、監督にとってかけがえのない俳優だったことを明かした。
監督は、すまさんを「長い間、色んな病気を抱えて辛い思いをされたと思う」と気遣い、「素敵な日本人を演じることのできる最後の俳優と思うぐらい、好きでした」と、沈痛な面持ちで偲んだ。
すまさんは99年にぼうこうがんが見つかり、摘出手術を受けたが、01年に脳梗塞を発症。闘病しながら俳優業を続けていた。