大瀧さん密葬で悲しき再結成
昨年12月30日に東京都瑞穂町の自宅で倒れ、解離性動脈瘤のために急死したシンガー・ソングライターの大瀧詠一さん(享年65)の葬儀が4日、自宅近くの葬儀所でしめやかに営まれた。
遺族に意向により、親族や親しい知人のみによる密葬で行われた出棺では、ロックバンド・はっぴいえんどで大瀧さんとともにメンバーだった作詞家の松本隆(64)、細野晴臣(66)、鈴木茂(62)が棺を持った。1972年に解散し、85年に1度だけライブを行った伝説のグループが、悲しい形で再会した。
関係者によれば、葬儀にはコーラスグループ、ラッツ&スターのメンバーら、大瀧さんが設立したレコードレーベル「ナイアガラ」に所属した“ナイアガラ・ファミリー”も参列したという。
松本は葬儀後に、盟友への惜別の思いを込めて、ツイッターを更新した。大瀧さんが作曲、松本が作詞した太田裕美のヒット曲「さらばシベリア鉄道」の歌詞を引用して「ほんものの十二月の旅人になってしまった君を見送ってきました」とつぶやいた。
さらに「眠るような顔のそばに花を置きながら、ぼくの言葉と君の旋律は、こうして毛細血管でつながってると思いました。だから片方が肉体を失えば、残された方は心臓を素手でもぎ取られた気がします。北へ還る十二月の旅人よ。ぼくらが灰になって消滅しても、残した作品たちは永遠に不死だね。なぜ謎のように『十二月』という単語が詩の中にでてくるのか、やっとわかったよ。苦く美しい青春をありがとう」としのんだ。