山田洋次、淡路さんようやく解放された
女優・淡路恵子さんが11日夕、都内の病院で亡くなった。80歳だった。淡路さんは昨年7月に直腸がんと食道がんが判明し、手術を受けていた。萬屋錦之介さんと結婚後、女優業を引退していた淡路さんの、女優復帰映画となった「男はつらいよ・知床慕情」でメガホンをとった山田洋次監督が追悼のコメントを発表した。
山田監督は「高度成長期の裏で酒場で生きていく女性など、特徴のあるタイプの約を演じることができる、戦後の映画史で非常に重要な役割を担った人でした」と“女優・淡路恵子”の類い希なる魅力を解説。
「華やかな人でしたが私生活ではお子さんを亡くされるなど、つらい人生でもあり、そういうつらい思いからもようやく解放されたのかとも思います」と波乱万丈の人生に言及し、追悼した。
淡路さんは、1953年にフィリピン人歌手ビンボー・ダナオと結婚。長男で俳優の島英津夫と次男をもうけたが、65年に離婚。翌年の66年には俳優の萬屋錦之介さんと再婚し、三男と四男を出産した。
しかし90年には三男がバイク事故で急逝。97年には元夫の萬屋さんが亡くなり、10年には四男が首つり自殺した。浪費癖のあった四男は、04年に淡路の自宅に窃盗に入り、住居侵入罪で逮捕され、実刑判決を受けた。四男は10年に首つり自殺した。