レツゴー三匹 悲しき5年ぶり“再会”
今月8日に脳出血のため亡くなった、漫才トリオ・レツゴー三匹のレツゴーじゅんこと俳優・逢坂じゅんさん(享年68)の葬儀・告別式が11日、大阪市内で営まれた。相方のレツゴー正児(73)、レツゴー長作(70)も駆けつけ、5年ぶりに“再会”したトリオが最後の別れをした。
長作は「三匹で一番若かったじゅんが最初に…。ちょっと台本と違うやろ!」と言葉を詰まらせた。
3人が最後にトリオ漫才をしたのが09年の舞台。長作は、3人全員が70代になる年に、もう1回、トリオ漫才をやろうと提案するつもりだったが、それもかなわず。「台本通りにやらず、アドリブが好きなヤツやったから。またじゅんに驚かされましたわ」と急逝を悼んだ。
レツゴー三匹時代は、本番中にセリフを忘れたじゅんさんが、長作にこっそり「長さん、次何やった?」と聞いてきた秘話も明かした。「正児さんは厳格やから、僕に。それもお客さんには、リーダー(正児)の悪口を2人でコソコソ言うてる演技と思わせながら聞いてくるんですよ」。二男と三男のような関係だった。
漫才の台本を書き、トリオの“長男”だった正児は「じゅんは天才で僕のライバルだった」。舞台袖のスタッフからネタ時間をのばす指示が出されることもしばしばだったが「どんなアドリブを振っても、ウソでもついてきよった。僕の作った漫才を最高におもしろくしてくれるヤツでした」と残念がった。
最近の逢坂さんの俳優としての活躍は「皆がほめるから(ライバルとしては)おもろなかったわ」と毒舌で、喜んでいたことを明かした。
寂しさをこらえながら正児は「天国でゆっくりせえとか安直なことは言わんぞ。俺はまだやるからな!」と弔いの声をかけた。
葬儀・告別式には200人が参列。逢坂さんの棺は、正児、長作らによって運び出され、天国へと旅だった。