俳優の林隆三さんが４日、腎不全のため入院先の都内の病院で亡くなっていた。７０歳だった。通夜、葬儀は故人の遺志により近親者のみで終えたという。所属事務所が９日、公式サイトで発表した。

　所属事務所は「長年お世話になりました関係各位の皆様、温かく見守ってくださったファンの皆様には、親しくお別れしていただくべきところではございますが、本人のたっての意向をご理解いただければと存じます」と理解を求め、供花、香典についても辞退するという。

　林さんは１９４３年東京都生まれ。６６年に俳優座養成所を卒業、翌年ＮＨＫミュージカル「ある愛の奇跡の物語」でデビュー。その後、舞台では「どん底」「美しきものの伝説」「三文オペラ「ファンタスティック」などに出演、映画でも「妹」「地獄」「早春物語」「時雨の記」「草の乱」など、テレビでは「天下御免」「国盗り物語」などに出演した。

　７７年には近代映画協会「竹山ひとり旅」で第１回日本アカデミー賞主演男優賞を受賞、８４年にはフジテレビ「真夜中の匂い」でテレビ大賞・個人演技賞を受賞した。