心不全のため６月２７日に７３歳で亡くなった俳優・斎藤晴彦さんの通夜が２日、東京・信濃町の千日谷会堂で営まれ、夏木マリ、和田アキ子、野口五郎、岩崎宏美、佐藤Ｂ作ら芸能関係者ら約５００人が、最後の別れを惜しんだ。

　故人の人柄を表したように清貧ながら華やかさな祭壇。「明るく天国へ送り出そう」と、会場には生前に出演したテレビ番組「今夜は最高！」、舞台で歌った「トルコ行進曲」などの映像が流れた。

　通夜の冒頭で死亡経緯を関係者が説明。心肺停止で搬送された病院で、斎藤さんは一度奇跡的に息を吹き返したという。最後まで生きる執念をみせた。

　俳優・柄本明は、演劇の大先輩に最後の別れを告げるため、映画のロケ先・北海道旭川市から帰京。羽田空港からそのまま通夜会場に駆けつけた。斎藤さんとは何度も共演。また直接依頼を受けて、斎藤さんが所属する劇団黒テントで研究生への講師も務めたこともある。「好きな俳優さんだった。声も良かったからね。先日の蟹江敬三さんに続いて斎藤さんが…。また演劇の先輩が逝ってしまった。さみしい」と天を仰いだ。