斎藤晴彦さん葬儀 渡辺えり無念の涙
心不全のため6月27日に73歳で亡くなった俳優の斎藤晴彦さんの葬儀・告別式が3日、東京・信濃町の千日谷会堂で営まれ、女優の渡辺えり(59)、歌手の加藤登紀子(70)らが参列した。アングラ舞台俳優の先輩として、狂気をはらんだ演技をする斎藤さんを尊敬していたという渡辺。弔辞では果たせなかった約束に、思わず悔し涙を流した。
斎藤さんと最後に会ったのは今年の4月30日だった。体調を崩した斎藤さんの代役として夫の俳優・土屋良太(47)が舞台に出演し、その打ち上げで一緒になった。渡辺はその場で斎藤さんと土屋のために二人芝居の脚本を書くと約束したが、斎藤さんの急死により企画は消失した。渡辺は「約束は、もう果たされることは無くなりました。本当に残念です」と無念の思いをかみしめた。
会場には親族、舞台仲間ら約300人が集まり、斎藤さんとの別れを惜しんだ。音楽が好きだった斎藤さんのために、加藤はアイルランド民謡「ダニー・ボーイ」を披露。女優の黒柳徹子(80)からの手紙も朗読された。
ひつぎには斎藤さんが所属していた劇団「黒テント」メンバーがメッセージをしたためた色紙、愛用の稽古靴、親交のあったフィリピンのミュージシャン・ノエルのCDが納められた。
出棺時には参列者から自然と大きな拍手がわき起こり、生涯現役を通した舞台人らしい盛大な“カーテンコール”となった。