アンパンマンの声優を務める戸田恵子（５６）が５日、都内で行われた映画「それいけ！アンパンマン　りんごぼうやとみんなの願い」の初日舞台あいさつにゲスト声優の井上真央（２７）らと登場。やなせさんのシルエットを模したネクタイを締め、劇場版２６作目にして、初めて初日あいさつに登壇した。

　昨年１０月に心不全のため亡くなった原作者、やなせたかしさんが原案を務めた最後の作品。これまで映画の初日は、やなせさんが自作の歌を披露するのが恒例となっていたが、この日は戸田や井上ら声優陣たちが劇場の子供たちと「アンパンマンのマーチ」を歌った。

　戸田は何度も天井を見上げながら「先生が天国にパトロールにいかれて最初の映画です。今日ほど先生を近くに感じる日はないと思います。今まで以上に先生の思いが詰まった作品。先生のよく言っていた『人生は喜ばせごっこ』というテーマを感じてください」と、やなせさんの思いを代弁した。

　映画オリジナルの「りんごぼうや」を演じた井上は「やなせさんの思いが伝わる作品になっていると思います。先生に会えなかったのは残念ですが、きっと（天国から）見てくださっていると思うので、『よかったね』と、りんごぼうやもほめてもらえたら、うれしいです」と語った。