辛口兵庫県知事も「軍師官兵衛」を賞賛
兵庫県の井戸敏三知事(68)が5日、神戸市内でデイリースポーツの取材に応じ、同県が舞台のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(日曜、後8・00)について「歴史論争まで出てくるぐらい、深みがあっておもしろい」と称賛した。2年前には同県舞台の大河ドラマ「平清盛」を酷評しまくった辛口知事だが、今回はヒールな怪演が話題となっている主演のV6・岡田准一についても「マッチしてますよ。ハマリ役だね」と語り、大満足の様子だった。
「‐官兵衛」は今年5月以降、物語の進行とともに低迷していた視聴率もV字回復。豊臣秀吉の天下統一を支えた軍師・黒田官兵衛を主人公に、最近では本能寺の変、中国大返し、清洲会議、賤ヶ岳の戦いなどを、戦国武将らの思惑、駆け引き、策謀を中心に描かれ、関西地区では視聴率20%超を連発している(ビデオリサーチ調べ)。
井戸知事も「非常によく考えられてますよ。配役もいいし、個性も出ている。視聴率も上がってるんでしょ?」と納得の表情だ。
井戸知事は、2012年の「平清盛」放送時には「画面が暗い。薄汚れた感じだった」などと苦言を呈して話題に。この日も「平清盛は、何をやっているのかよく見えなかったし、筋も分かりにくかった」と引き合いに出したうえで、官兵衛については「ストーリーもずいぶん工夫されていて深い。話のポイントが分かりやすく構成されている」と語った。主演の岡田についても「岡田准一君ね、彼はマッチしてるんじゃないですか。ハマリ役だね」と拍手を送った。
兵庫県知事の立場からは「この半年で、われわれも知らなかった官兵衛の足跡を掘り起こしてくれた」と感謝。「英賀城(姫路市)なんて知らなかったので、この前、英賀神社に行ってきましたよ」と自身も勉強のため現地に出かけたという。
地元を中心に官兵衛の生誕地論争や、官兵衛が荒木村重に捕らわれ投獄された有岡城(伊丹市)に本当に土牢があったのかとの歴史論争もわき起こっていることも明かし「論争が出てくるぐらい、皆さんから注目され、話題提供していただきました」と頭をさげた。今年後半は、物語舞台が兵庫から離れてゆくことに「九州とかに舞台が行ってしまうので、残念でなりませんよ」と悔しがっていた。