作曲者偽装騒動で、佐村河内守氏（５０）のゴーストライターだったことを告白した音楽家・新垣隆氏（４４）が１５日、大阪市内で行われた歌と笑いのフェス「コヤブソニック２０１４」に出演。自作曲をピアノ演奏した後に、吉本芸人が扮した“ニセ佐村河内氏”とコミカルな和解ショーで笑いをとり、「いつか本物と一緒に謝罪したい」と語った。

　主宰の吉本新喜劇座長の小籔千豊（４１）のオファーを快諾し、現代音楽のすばらしさを世に広めるため出演した新垣氏。自身のピアノ演奏で、自作曲「前奏・ＹＯＢＩＫＯＭＩ（呼び込み）」、週刊誌とのコラボ曲「交響曲・ＨＡＲＩＫＯＭＩ（張り込み）」などを披露。本格的なライブ演奏で喝采を浴びた。

　演奏後のＭＣでは、吉本芸人・今別府直之（４２）扮する「ニセ佐村河内氏」がステージに登場。偽物が「佐村河内守です」と挨拶すると、新垣氏はノリよく「ご無沙汰してます」と返し、会場は爆笑に包まれた。

　さらに偽物が「天地神明に誓って、ごめんなさい！」と頭を下げると、新垣氏は握手しながら「ありがとう」と“和解”に応じ「皆様、お騒がせして申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

　お笑いのノリに気軽に応じた新垣氏に、小籔は「そんな人がええから、他人に利用されるんですよ！」とツッコミを入れていた。

　終了後の会見で新垣氏は、騒動で大学の講師を辞任した後は、作曲活動やライブを開くなど音楽家一本で活動していることを明かし「現在は、譜面を書いたり演奏したり、それをずっとやっております。音楽家としてステージに立つことで、今後も皆様に応えていきたいです」と話した。

　偽物とコラボした感想を「一瞬、ドキッとして逃げ出しかけました」とおどけた。

　“本物”の佐村河内氏とはその後も直接会っていないといい「本来ならば本物と一緒に謝罪したい、そうしないといけない立場なのですが、いまも直接コンタクトをとっておらず、距離をとっている状態です。いつかは２人でお詫びしたい」と語った。

　報道陣からバラエティー番組などへの興味を聞かれると「私は音楽家として生きて行きたいです」と誠実に答えた新垣氏。独身の新垣氏に小籔が、吉本の女芸人との縁談を勧めると「すばらしい方ばかりですが、夢にしておきます」と丁重に断っていた。