さんま40年前の落書きと兄の思い出語る
明石家さんま(59)が現在閉鎖中の大須演芸場(名古屋市中区大須)に40年前に残した落書きが19日、MBS(毎日放送)のバラエティー番組「明石家電視台 in 名古屋」で公開された。同演芸場は無名時代の19歳の時、修行として出演した思い出の場所。落書きには「今日も客なし」とあり、この日の放送では、観客が実兄1人だった日もあったことなど、懐かしそうに思い出話を語った。
さんまは1979年(昭和49年)、落語家の笑福亭松之助さんに弟子入り。翌年8月中旬の10日間、修業として演芸場に出演した。楽屋の化粧台の裏側には、「明石家さんま S50・8・中席 今日も客なし 明日は?」と黒いマジックで書いた落書きが今も残されていた。
9月28日のロケで同演芸場を40年ぶりに訪れたさんまは、のちにブレークのきっかけとなった小林繁(元阪神)ら野球選手の形態模写を客前で初めて披露したのが、同所だったことを告白。同行した中川家や次長課長に「やりやすい(劇場)やろ。(客席も近いし)小さいから、コントとかの勉強になる」と懐かしそうに話した。
また、当時名古屋勤務だった兄が「オレがトップ(1番手)で出た時、来てくれて。お客さん、その日も1人やった」と回顧。出番後に一緒に食事をする約束をしていたが、なかなか兄は待ち合わせした劇場前の喫茶店に姿を見せず、「2、3時間待ってなあ。アニキ、何してるんやろ、と思ったら、『出られへんかった。客1人やから、途中で出て行くとほかの演者さんに悪うて』って」。無名時代の兄との思い出も振り返った。
大須演芸場は、賃料を滞納していた前経営者から、建物所有者が強制執行によって明け渡しを受け、今年2月に閉館。現在は再開を前提に耐震補強工事などの検討を進めている。ロケの最後にさんまは、舞台上の「めくり」(出演者の名前を貼る木製ボード)に「満」の字をマルで囲んだ新たな“落書き”を残した。再開を記念し、「満席、満杯」の意味を込めたという。