島爺役の高橋元太郎、初代黄門様の教え

 NHK朝ドラ「マッサン」に亀山家の番頭・島爺役で出演中の、歌手で俳優の高橋元太郎(73)が8日、大阪府堺市の大阪刑務所で一日所長を務め、トークショーを行った。

 1970年から30年余、時代劇「水戸黄門」で、うっかり八兵衛役を演じたことで知られる高橋は「最近は街を歩いていると、八兵衛さんと声をかけられるのと同じぐらい島爺と呼ばれます。水戸黄門は日本一のドラマだけど、朝ドラもすごいね」と笑顔で語った。

 波乱続きの主人公夫婦をやさしく見守り、応援している島爺。最近覚えたツイッターで視聴者の声をチェックしているといい「画面の隅のほうにいる時の表情をほめていただいたり。皆さん細かいところまで見ていらっしゃるんだなと思います」と喜んだ。

 「年寄りの役だからか、『島爺を死なせないで』との声もありましたね」と目を細めた高橋。演技のモットーは「目立とうとせず、背伸びをせずにお芝居をする」ことで、初代・水戸黄門を務めた東野英治郎さんに教えられたという。

 水戸黄門出演当初、それまで歌手活動がメーンだった高橋は、必死にNGを出さず、現場に迷惑をかけないよう努めていたところ、東野さんから「元ちゃん、努力すれば俳優のてっぺんに立てるけど、その上に行けるかは人柄だよ」と教えられたという。

 高橋は「ありのままの高橋元太郎を出すことを学びました。『ご隠居~!腹減ったあ!』も、自分の言葉で明るく楽しくやらなきゃいけないとね」。そうすることで、世間にも八兵衛として認められ、声をかけられるようになったという。

 「マッサン」では、ヒロイン役の米女優シャーロット・ケイト・フォックスと、撮影の合間に、カントリーウエスタン曲の話で盛り上がったところ、撮影が一段落した9月末に、撮影現場を離れる際に、フォックスからハーモニカをプレゼントされたことを明かした。「これも、やさしい彼女の人柄だね。僕の宝物になりました」と喜んでいた。

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