市村正親 復帰舞台に感極まる
俳優の市村正親(65)が8日、胃がん手術からの復帰後初舞台「モーツァルト!」(8日~12月24日)の初日公演を前に、東京・帝国劇場で会見を行った。市村は「もう1回舞台に立てるのか…と思ってたので」と話すと、こみあげる涙をぐっとこらえ、胸を押さえながら「もう何も言えないです」と感極まった様子だった。
客席では妻で女優の篠原涼子、長男も見守った。市村は「きょうは上の子と妻も見に来てくれてます。静かに支えてくれたので、期待に応えるべく頑張りたい」と晴れやかな表情で語った。篠原からは、数日前に「あんまり無理しないで」と体調を気遣われたという。
10月末の映画イベントには登場していたが、同舞台が本格的な仕事復帰。「復帰第1作です。新人のようにドキドキしています。自分にドキドキする気持ちがあって、まだまだウブだなあ、と」と笑顔。「これから休みのない人生が始まりますので、無理しないよう、半分ぐらいの力で精一杯がんばりたい」と意欲を語った。
会見で共演者から拍手で迎えられると、「あんまり温かくされると、涙腺弱いから…(せっかくした)化粧を直さなきゃいけないんで…」と照れくさそうに話し、涙をこらえる場面もあった。
市村は6月下旬に体調不良を訴え、急性胃炎と診断されたが、その後、初期の胃がんが判明。7月27日にがんを公表し、舞台「ミス・サイゴン」を無念の降板。8月2日に腹腔(ふくくう)鏡手術で胃の半分を切除した。
9月3日に復帰会見を行い、10月29日にはアニメ映画「くるみ割り人形」の試写会で復帰後初めてファンに姿を見せていた。