泉谷しげる かつて健さんと主役争った

 シンガーソングライターの泉谷しげるが20日、高倉健さんの死を悼みつつ、かつて映画「ブラック・レイン」で健さんと主役を争ったことを明らかにした。

 1989年に公開された「ブラック・レイン」は、マイケル・ダグラスと健さんが日米の刑事役で共演した。

 泉谷は公開の前年に日本で行われたオーディションに参加した。

 「大好きな『エイリアン』『ブレードランナー』のリドリー・スコット監督に会ってみたかった」と、いささか真剣さに欠ける動機ではあった。

 英語のセリフを何とか覚えてオーディションに臨んだものの、結果は不合格。しかし泉谷は後にがく然とした。「アノ役は高倉健さんに決まったと聞いて本当にビックリした!つまりオイラは高倉健さんと役を競いあったワケ?恐れ多いワイ!落ちてヨカッタよ~!」。

 実は泉谷、その年はバンドの結成やライブツアーもあり、もし受かっていても1年近い撮影拘束に応じる余裕はなかったという。その意味でも真剣ではなかったと言える。

 その後、泉谷は一度だけ、知人の紹介で健さんに会う機会があった。

 「ブラック・レイン」の話どころか挨拶程度に終わったようだが「スターにありがちな取り巻きは一人も居ず大スターの貫禄を押し付けることなく」、紹介された際の健さんは一人でコーヒーを飲んでいたという。

 そんな思い出に浸りながら、泉谷は稀代の名優のことを「やはり漢なのだ」と、その死を惜しんだ。

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