星野SA、王・長嶋への対戦の思い出
楽天・星野仙一シニアアドバイザー(67)が22日、関西テレビ系のバラエティー番組「さんまのまんま2014大阪から生放送SP」に出演。日本プロ野球界のスーパースターである“ON”との現役時代の思い出を語った。
69年、中日に入団した星野は巨人・長嶋との初対戦で投ゴロに打ち取った。投球時、テークバックで球を握った右手が太ももに当たり、握りがずれたまま投げたところ「今でいうチェンジアップ」になってタイミングを狂わせることに成功したという。
アウトになった長嶋は自軍のベンチに直行せず、マウンドの星野の方に駆け寄ってきた。星野が「俺、何か悪いことしたかな」と思っていたところ、ミスターは「いやぁ、仙ちゃん、いいボールを覚えたねぇ。あれは魔球だよ、魔球。これは使えるよ」と、試合中にもかかわらず相手投手を絶賛したという。
その後、星野は一生懸命、右手を太ももに当てる練習をしたが「2度とそのボールは投げられなかった。投手時代に何十万球投げたか知らないけど、本当にあの1球だけ」と苦笑しながら振り返った。「あれを覚えていたら、まだ(現役で)やってるかも分からんなぁ」と悔しがり、さんまを笑わせた。
また、「テレビでも言ったことがない」と前置きして、王との思い出にも言及。「王さんがセーフティーバントをサードにしたのよ。これが自慢」と胸を張った。全盛期の王対策として、内外野が極端に右方向に移動する“王シフト”は広島が考案。中日でも採用したところ、星野と対戦した打席で、王はガラ空きだった本来の三塁前にバントを試みたのだった。
現役時代に通算24本のホームランを王に打たれた星野は「ボールを追いかけんかった。俺の勝ちや。世界の王さんがセーフティーバントを僕にしたんだから。これをいつか言おうと思って、今日言った」と誇らしげに語った。