朝ドラヒロイン 選ばれた理由は
キャスティングディレクターで演出家の奈良橋陽子氏が3日、NHK総合のトーク番組「スタジオパークからこんにちは」に出演した。奈良橋氏は朝の連続テレビ小説「マッサン」でヒロイン亀山エリーを演じる米女優シャーロット・ケイト・フォックスをNHKに紹介。シャーロットに“ほれた”わけを明かした。
奈良橋氏はロックバンド・ゴダイゴのヒット曲「ガンダーラ」や「銀河鉄道999」の英語詞を作詞したことでも知られる。現在は日本と米ロスを往復。脚本を元に、どういう俳優が適しているかを監督と話して提案、紹介している。米映画「ラストサムライ」では渡辺謙をハリウッドに紹介した。
シャーロットはNHKの依頼を受けて探した俳優の1人だそうで、「スカイプで話したり日本語も試したり」して選んでいったという。
NHKが実施したオーディションにシャーロットは残り、日本でカメラテストをやるという時にはロスで日本語を一日中特訓したこともあった。それらの課程でシャーロットが「努力家であり、精神的なスタミナがある」と判断。朝ドラの撮影は長丁場で大変なことから「日本に来たこともない、日本語も話したこともない。そういうものに受け入れ体制があるのか」などを見極めたという。
シャーロットは同番組にビデオ出演し、「大切なことを思い出させてくれたとっても特別な存在の人」と奈良橋氏に感謝。ロスの空港から日本に出発する時を振り返り、「陽子は空港の搭乗口まで見送ってくれました。手を振ってお別れしたあとも、私の姿が見えなくなるまで見守っていてくれました。とてもうれしかったです」と話した。
奈良橋氏からのアドバイスとして「撮影現場では毎朝元気よく。おはようございますと笑顔を忘れなければ素敵な作品になる」と言われたことを明かした。シャーロットは「思い出したら泣けてきちゃう」と涙をぬぐい、「前向きに生きる素晴らしさをあなたから学びました。アイ・ラブ・ユー」と締めくくった。
奈良橋氏も涙を浮かべ、「たまたま彼女に演技を教えていた先生が私のニューヨークの演劇学校の先輩だったんです。本当に演技がいいと思った」とシャーロットを称賛した。