桂文枝 神戸・新開地に第2の繁昌亭
上方落語協会会長を務める落語家・桂文枝(71)が9日、大阪市内で「第7回上方落語台本募集」の選考結果発表会見に出席。以前から公言している大阪に続く“第2の繁昌亭”建設の候補地について言及した。
オファーは各地からあったが、最終的に誘致活動が積極的だった神戸・新開地に絞っていることを明かした。「場所的にも昔は『東の浅草、西の新開地』と言われたようですから」と地理的条件には納得しているという。
06年にオープンした天満天神繁昌亭は大阪天満宮から無償で提供された土地に建設。大阪市民や地元企業から多額の寄付金が集まった。文枝は「僕としては天満宮との今までやってきた経緯があるので、やっぱり同じような条件でないと天満宮さんに悪い」と最終決定への条件を口にした。
現在の繁昌亭は文枝自らも実現に向けて精力的に動いたが「次の世代の人に先頭に立ってもらいたい」という意向で、今回は神戸市出身の弟子・桂あやめ(50)らで構成する委員会に交渉を任せている。
文枝個人としては「来年は震災20年という年。20年経って神戸に笑いが戻ってきたみたいな感じで、何とかGOできるような形になればいいなと思っています」と心境を明かした。
あやめは95年1月17日の阪神・淡路大震災で母親を亡くしている。文枝は「あやめさんは自分たちでやりたいという情熱を持っている。その情熱を大事に実現に向けて。やるとなれば、10年先、20年先、30年先にも残るようにしたい」と意欲をにじませた。
正式決定をもって記者発表を行う予定。文枝会長は「どのくらいになるか分かりませんが、年明けくらいに何とかできれば」とメドを説明。実現した場合には第2の定席にも「『繁昌亭』という名前は付けたい」と話した。