「美味しんぼ」原作者が反論本出版へ
原発に関する記述が問題となり連載休止中の「美味しんぼ」(ビッグコミック スピリッツ)の原作者、雁屋哲氏が10日、約半年ぶりに公式サイトでコメントを発信、問題視された部分を含む「美味しんぼ」の単行本第111巻「福島の真実篇2」が刊行されることを告知し、また来年1月に同氏の意見をまとめた本を出版することを明らかにした。
雁屋氏は単行本発刊について「色々と問題になった件も掲載されています。お読み下されば有り難いと思います」と記し、「例の『鼻血問題』に対する私の意見は、本にして来年の一月に発行します」と、原発問題に関する雁屋氏の意見を1冊の本にまとめたことを明かした。
その上で「まずは単行本第110巻と111巻をお読み頂いてから、ご意見を賜りたいと存じます。一部分だけを読んで、あれこれ言うのは反則でしょう」と、議論を受けて立つ構えを明確にした。
「美味しんぼ」は今年5月に発行された東京電力福島第一原発事故をめぐる描写に対し、福島県や地元政界などが発行元の小学館に抗議する騒動となった。問題にされたのは登場人物が放射線被曝と鼻血の因果関係を指摘し「福島に住んではいけない」と語る場面など。
「美味しんぼ」は5月下旬から休載されているが、雁屋氏は当時、公式サイトで「休載は以前から決まっていた」と説明し、「連載も長期化すると、原作者も、作画家も時に休みを取る必要があるのです」と、当分は海外へ出掛けることを示唆していた。