維新の党共同代表の橋下徹大阪市長（４５）は、衆院選投開票が行われた１４日夜、大阪市内の党開票センターで会見。今夏まで日本維新の党の共同代表としてコンビを組んだ石原慎太郎氏（８２）が政界引退を表明していることを惜しみ「僕は逆立ちしてもかなわない方だった。最後の最後まで国を思って戦われたことに敬意を表します」と語った。

　今選挙戦を落選覚悟で“最後の奉公”とした石原氏について、橋下氏は「本当にお疲れさまでしたの一言につきます。あの年で、全国回られて、選挙やるなんてあり得ないです」としみじみと語った。

　１２年にともに日本維新を立ち上げ“牛若丸と弁慶”を名乗った。

　「僕との決定的な違いは戦争体験。僕は本を読んで机上で勉強した立場ですが、石原さんは鬼畜米英の実際の戦争の中に生きて、占領政策も経験して、この国を立て直そうという原体験に基づく政治家魂がありました。もうこれは逆立ちしてもかなわなかったです」と、たたえた。

　橋下氏は取材陣に「本当に引退されるんですかね？どうなんですか」と逆質問して惜しがった。

　かねて橋下氏に国政挑戦を勧めていた石原氏。橋下氏によると、今回も出馬を求められたといい「電話もよくしていただきました。なんかうちの妻にも話をしたらしくて、（石原氏が）周囲に『俺が橋下君の奥さんを説得して、もう大丈夫だ』と言ってたらしいです」と明かした。

　最後は今夏に袂（たもと）を分かつことになったが、橋下氏は今後について「石原慎太郎という強烈な個性の方ですから、考え方が全部合うわけがないですが、違いは違いで多々あるんですけど、国を思う気持ちは同じで、なんとか少しでも何らかの形でお力をお借りで切ればありがたいですね。あれだけの知性と人脈を持たれている方は、いらっしゃいませんしね」としみじみと語っていた。