池上季実子 作家宮尾登美子氏冥福祈る
「櫂」や「一絃の琴」など、力強く生きる女性の一代記の第一人者で、歴史小説でも知られる作家の宮尾登美子(みやお・とみこ)さんが昨年12月30日、老衰のため東京都狛江市の自宅で死去していたことが7日、分かった。88歳だった。女優の池上季実子が宮尾さんの冥福を祈って談話を寄せた。
「宮尾先生とは『陽暉楼』で初めてお目にかかりました。映画完成後の公開までの4カ月間のキャンペーンも含め、数多くお目にかかったのですが、かわいらしく、そして、物静かで、そそとお着物をお召しになってらっしゃるそのお姿からは、あの情念の作品をお書きになられるエネルギーが何処から沸き上がってくるのだろうと、いつも、思いながらお話をしていたのを思い出します。また、一人、人間の心のひだまで描ける方がいらっしゃらなくなり、とても残念です。心より、御冥福を御祈り申し上げます。そして、先生、有り難う御座いました」