三津五郎さん 元日に最後のメッセージ
歌舞伎俳優の坂東三津五郎=本名・守田寿(もりた・ひさし)=さんが21日午前2時3分、すい臓がんのため都内の病院で亡くなった。59歳だった。
三津五郎さんは、13年9月にすい臓がん切除の手術を受けた。14年4月に舞台復帰したが、検査で自宅療養が必要とされ、9月から12月の舞台を降板。治療に専念していた。昨年9月には肺への転移が見つかっていた。
療養のため、今年の正月を自宅で迎えた。歌舞伎役者にとって、物心ついて初めて自宅で落ち着いた正月を過ごすことができた三津五郎さんは、今年元日には、公式ホームページに新年を迎える喜びを綴っていた。
【メッセージ全文】
平成27年の元旦がやってまいりました。新年明けましておめでとうございます!
今年はもしかすると生まれて一番嬉しいお正月かもしれません。
というのも子供の時からお正月は一年で一番慌ただしい日々だったからです。歌舞伎は二日が初日。元旦は両親、妹二人とも着飾るので早くから着かえさせられ、まずはうちの家族とお弟子さんで八時半ころからお屠蘇のお祝い。その後すぐ年始回りに出かけるという日でしたから、いつもの学校の時間よりも早く叩き起こされました。
長じてからもたった一日の休みの元旦に年始回り、年始受けという日々を50数年続けてきました。
そうした中での一昨年の発病。その病気を経て小康を保っている今年は、『あ~、今年も新しい年を迎えられて良かったなぁ・・・』と、心の底から新年を迎える喜びが立ち上がってくるのです。
そして1月は私の誕生月。23日の誕生日にはなんとか59歳を迎えられそうだという喜びも重なってまいります。
ひととせの朝をあつめて飾松