米朝さん葬儀、可朝が別れのあいさつ

 上方落語の復興に尽力し、19日に肺炎のため89歳で亡くなった人間国宝の落語家・桂米朝(本名・中川清)さんの葬儀が25日、大阪府吹田市の千里会館で営まれ1500人以上が参列した。葬儀には、歌笑曲「嘆きのボイン」で知られ、米朝さんの弟子の中で最も破天荒な月亭可朝(77)が駆けつけ、トレードマークのカンカン帽子をかぶり、弟子を代表してユニークな“可朝節”で参列者へのあいさつを述べた。

 ◆以下、可朝のあいさつ全文

 先日、米朝師匠が他界された瞬間、私も枕元に、ベッドの横におりました。すぐに息を引き取ったんではなく、ふっと息を止めるんですね。止まると、横の機械の数字が0になる。そしたら、(現筆頭弟子の)ざこば君と次男の透くんが2人で『ちゃーちゃん、ちゃーちゃん、ちゃーちゃん!』って言うんですよ。

 この人(長男・桂米團治)が幼児の時も、(米朝さんを)ちゃーちゃんと呼んでまして、師匠の家の中では弟子も皆、ちゃーちゃんと呼んでました。

 胸や体を揺さぶるんですね。すると、ふっとまた呼吸をし出すんです。しばらくしたら、ふっと呼吸を忘れる。そしたらちゃーちゃん、ちゃーちゃんと、両側から揺すぶる叩く。それが繰り返し何十回続きました。

 まあ米朝師匠も生まれて今日まで仕事やなんやで忙しかったことと思いますが、あの世へ行ったと思ったら、またこの世へ引き戻されて、あんな忙しい日はなかったと思います。

 よう私みたいな無茶者を育ててくださった。わしは師匠の家で、普通は掃除やなんやするもんですが、1回もしたことがない。いつも財布を預かってました。その財布持って、キャバレー行ったり、飛田へ行ったり。それを黙ってみてくれました。

 わしがほうきを持ったら、この人(弟弟子の桂ざこば)が「兄ちゃんがやってもきれいにならへん」と取り上げました。

 師匠、あの世のほうがおもろい人間がぎょうさんおりますやろ。騒いでいなはれ。たかじん(※やしきたかじんさん)がうろついてるかも分からん。横山のやっさん(※横山やすしさん)もいてるはずです。ベートーベンもいるやろし、マリリン・モンローもいてると思います。マリリン・モンローは寝るときは、肌着つけんとシャネルの5番や。

 まあ、こんなんいうても米朝師匠、あんまり興味ないと思います。それよりもあの世に早く慣れて、ゆっくりとおやすみください。お疲れ様でした。みなさん、ありがとうございました。

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