グラドル高齢化の理由とは…
現代日本は「グラビアアイドル高齢化社会」である。昨年「愛人にしたい女性No.1」としてブレークした橋本マナミ(30)を始め、磯山さやか(31)、川村ゆきえ(29)、原幹恵(27)、吉木りさ(27)…。毎日発売される雑誌の表紙をアラサー女性が彩っている。
その昔、グラビアといえば、10代の新人タレントが本格女優へステップするための踏み台的な場だったが、今や三十路(みそじ)のグラドルが生き生きしている。その理由はどこにあるのだろう。その代表格ともいえる杉原杏璃(32)と関係者に聞いた。
杉原をグラビアで起用した経験のある出版関係者は、直接的な理由として「雑誌購買層の高年齢化」を挙げる。「今の20代以下は、物心ついたときからネットで情報を無料で手に入れるのが当たり前として育ってきた。雑誌を買うという習慣、文化がない」。グラビアが掲載される雑誌を買う年齢層は30代後半以上という。必然的にストライクゾーンのタレントの年齢層も上がるというわけだ。
ネットの普及がグラドル高齢化を産んだという意見に対し、杉原はうなずきつつも「ネットの普及がグラドルの延命につながっている面もあります」と反論。20代後半になってから人気を獲得した杉原は「人気を維持するには大人の緻密な戦略も大切なんです」と、自己プロデュース力の必要性を説いた。
「私はブログをやっていますが、どうすればアクセス数が伸びるか常に考えています。プロダクションはどうしても若い子をイチオシにしますが、ネットを利用すれば、自分の努力でファンにアピールできるのが今の時代なんです」。
確かに杉原の公式ブログを見ると、地道な努力を重ねていることが分かる。09年から毎日、寝る前にセクシーなネグリジェ風のパジャマ姿の自撮りをアップし続けている。5年以上、ファンへの「おやすみ」のあいさつを欠かさないのだから、応援する側もさらに熱が入る訳だ。
Gカップ巨乳にくびれたウエストという、マンガから出てきたようなボディーを誇る杉原だが、カープ女子や最近ではデイトレーダーとしても活躍するなど、さまざまなセールスポイントを自ら“開発”し、露出を増やしてきた。
杉原のマネジャーは「若くてかわいいからといって、意欲も個性もないタレントにはファンがつかない。事務所主導で人気を集めようとする従来の手法は通用しなくなっている」と話した。
これには前述出版関係者も同調する。「昔はプロダクションと雑誌が一緒になって若いスターを産みだそうとしたが、雑誌にはそこまでの影響力がなくなってきている。雑誌もタレント自らがつくったブランドや人気を後追いするようになってきているのが実情」。
杉原はまた「私たちは大人の覚悟を持ってグラビアに取り組んでいますから」と胸を張った。「今アラサーで頑張っているグラドルは、ミス○○とか“冠”を持っていない子ばかり。『水着なんてやりたくないけど仕方なく…』じゃなく『何でもやるんでお願いします』というガッツがあって芯がしっかりしているんです」と分析する。
自身も10代で女優系の事務所に所属したが挫折し、苦労の末に現在の地位まで昇り詰めた。だからこそキッパリ言い切る。「私はグラビアが大好き。そしてグラビアへの恩がある。だから結婚するまではグラビアに出続けたいし、そのために努力するんです」。
全身から放つ覚悟とプライドをグラビアページに感じて、ファンはきょうも熱いまなざしを送り続ける。
(デイリースポーツ・杉村峰達)