「鼓童」小田洋介が語る玉三郎、妻・愛音

再演された「アマテラス」の坂東玉三郎、小田洋介(右から)=大阪松竹座(撮影・岡本隆史)
3枚

 新潟の佐渡島を本拠地に、日本のみならず世界で活躍している太鼓芸能集団「鼓童」が、芸術監督でもある歌舞伎俳優の坂東玉三郎との音楽舞踊劇「アマテラス」を大阪松竹座で上演。大評判となっている。

 「アマテラス」は2006年の初演され話題となった。2013年の再演時にはスサノオ役を小田洋介が演じ、宝塚歌劇団を退団したばかりの元男役スターの愛音羽麗がアメノウズメ役で特別出演した。

 実はこれが縁で、小田と愛音は14年に結婚した。「親よりも先に、玉三郎さんに報告させていただきました。もう喉もカラカラ。緊張して唇も渇き、手も震えました」と小田は笑顔で振り返る。

 出演者として、ときには演出補として芸術監督の玉三郎を側で見てきた小田は「玉三郎さんは存在そのものが芸術。芸のためだけに生きている方」だという。スサノオに抜てきして間もないころ、独自に手を加えたところ、雷を食らったという。「スサノオは魂で演じなければいけない。小手先の演技じゃダメ、そういうことを教えられました」。

 体格にも恵まれ、野性味あふれた容貌で、スサノオと小田はピタリと重なる当たり役だ。1部では悲しみにくれ、荒れ狂うスサノオを、玉三郎演じるアマテラスが、慈愛で鎮めようとする。だが結局鎮めることは叶わず、天の岩屋戸に姿を隠すまでが描かれている。静と動、まさにどこを切り取っても一幅の絵になる美しさだ。

 小田は松竹座の公演を前に、伊勢神宮に参拝した。「日本とは…と意識するようになりました。それまでは国についても考えず、何人でもない“世界人”と言っていたくらいでした。参拝したことで、霊的なものを…より神々の世界を感じることができるようになりましたね」とその意義を語った。

 2部にはスサノオは登場せず、天の岩屋戸前でのウズメの踊りが中心。元男役らしく、生命力を感じる踊りが魅力。その立ち姿、ポーズの一つひとつが決まる。アマテラスが気になり、岩を開けるのも納得の躍動感だ。

 小田は、そんな愛音の魅力は「人間性」だという。2年前に初めて参加したときから「一人で踊る時は、さすがタカラヅカ!でも、どんどん

鼓童になじんでくれる。それってやはり人間性なんですよ」。

 2人の拠点も現在は佐渡島だが、二人で過ごしたのはまだ数日。「タカラヅカと鼓童はストイックさが似ている部分もある。夫婦ですが、共に戦う仲間ですね」。スサノオは1部、アメノウズメは2部と、一緒の出演はないが「お互いのパワーに負けないようにしたい」と、気迫あふれる舞台になっている。

 アマテラスは大阪松竹座で26日まで上演。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス