尾木ママ「少年A」の手記「読めない」
神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の加害男性(32)が手記を出版したことに対して、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏が11日、「加害者本人が書いた本は読めない」と拒否反応を示した。
尾木ママはその自分の気持ちを、公式ブログで「サカキバラの残忍な殺人行為を認めてしまうことにつながる怖さ感じるからだと思います」と分析した。
貴重な資料になる可能性は認め、「専門家ならきちんと勇気出して読むべきかもしれませんが そんな客観主義は研究室にこもる『学者』さんのお仕事」とし、自らは「あくまでも臨床から考える専門家?」と位置づけて「読みたくないです」と結論を出した。
何より「こういう『出版』そのものにも なんだかセンセーショナルな仕掛け感じてしまう」と、もう一つの拒否反応を起こす理由も明言した。
出版元の太田出版によると、男性は「絶歌」と題した手記の中で、事件前からの性的な衝動を告白。事件に至るまでの精神状況や、2004年に関東医療少年院を仮退院した後、日雇いアルバイトで生計を立てていたことなどを「元少年A」の名前でつづっている。
巻末で「被害者のご家族の皆様へ」として「どれほど大切なかけがえのない存在を、皆様から奪ってしまったのかを、思い知るようになりました」と記したが、遺族は「なぜ、このように私たちを苦しめるようなことをしようとするのか、全く理解できません」などとするコメントを発表している。