大八木氏を告訴 恫喝録音データも存在
元ラグビー日本代表で現学校法人・芦屋学園理事長(芦屋学園中学・高等学校長)の大八木淳史氏(53)から脅迫を受けたとして、同校元教頭の職員男性(64)が5日、兵庫県警芦屋署に刑事告訴し、同市内で会見した。職員は、教頭だった昨年に同校の不透明な金銭の流れを指摘したところ、大八木氏から「チンピラな奴が、何しようか分かりませんで」などと恫喝を受けたと訴えている。一方、大八木氏もこの日午後、稲田氏を名誉毀損で同署に刑事告訴した。
大八木氏を刑事告訴したのは現芦屋学園・図書館事務長の稲田信行氏。弁護士同伴で会見した稲田氏や告訴状によると、芦屋学園中学・高等学校の教頭を務めていた昨年に学園の不透明な金の流れを指摘したところ、同年5月16日に校長室で大八木氏から恫喝を受けたという。
大八木氏は稲田氏に「校長・理事長を批判するのは大問題」「理事長には絶対の権力がある。今、大八木ですわ。ここに刃向かうということを理解しな」といさめた。そのうえで「俺は有限会社と株式会社を持ってる。チンピラな奴が、何しようが分かりませんで、刺すかどうか知りません」「ブラックなところなら、訳分からん奴いっぱいおるんやから」と危害が及ぶことをにおわせるような発言をしたという。
稲田氏は恐怖を感じたといい、大八木氏について「私のように苦言を呈する人間には厳しかった」と説明。かねて同様の発言を受けていたため、当該校長室での発言は録音したことも明らかにした。
報道陣から大八木氏の周辺に「チンピラと思われる人物はいるのか」と問われると、稲田氏は「分からない」としたうえで「スポーツの世界で生きてきた人には普通の言葉なのか分からないが、どこでも通用すると思わないでほしい」と述べた。
大八木氏は12年7月に校長に就任。昨年3月から理事長を兼任している。