中村獅童 亡き母愛した絵本を歌舞伎に
歌舞伎俳優・中村獅童(42)が12日、京都市内のデパートで、京都南座9月公演「新作歌舞伎 あらしのよるに」(9月3日初日)をテーマにトークイベントを行った。
同舞台は、オオカミとヤギの「食う者」と「食われる者」の立場を超えた友情を描いたロングセラーの童話絵本「あらしのよるに」が原作で、約10年前にNHK・Eテレで、この絵本の読み聞かせ企画の声優を務めた獅童が、歌舞伎化を目指してきた。
獅童はトークイベントで、13年12月に亡くなった母の小川陽子さんが大好きだった作品で、「これを歌舞伎にできればいいね」と話していたことを明かし「母の故郷の京都で、この作品を座頭でやらせていただくことになり、母も喜んでいると思います」と語った。
生前に小川さんが、作品の絵をあしらった帯を作って南座で観賞することを楽しみにしていたことも明かし「母が来ることはかないませんでしたが、代わりに(1月に結婚した)妻が帯をしめて来てくれると思います」と話した。童話が歌舞伎化されるのは初めての試みで「どうか、子供さんも一緒に家族連れでご覧になっていただきたい」と呼びかけていた。