歌手・前川清（６７）が６７回目の誕生日となった１９日、東京・渋谷のライブハウスでバースデーライブを開催。開演前に取材に応じ、２２日に３回忌を迎える元妻で歌手の藤圭子さん（享年６２）への思いを語るとともに、命日にあたる２２日に開くライブで藤さんの歌を歌い、追悼する意向を明かした。

　藤さんは２０１３年８月２２日、西新宿の高層マンションから飛び降り、自ら命を絶った。前川は死の１カ月後、「大事な人でした。残念です」と気持ちを整理できない様子で語っていた。

　バースデーライブの追加公演（東京・品川の倶楽部ｅＸ）が藤さんの命日である２２日に決まったことに、前川は「偶然にしても皮肉にも…」と切り出し、「ボクなりに、彼女のことを忘れてもらいたくない。ボクも忘れることはない。ボクなりの彼女の思いを歌いたい。いい意味で供養になればいい」と歌で追悼したい思いを明かした。

　２人は藤さんが２０歳だった１９７１年に結婚し、１年後に離婚した。「思い出はあまりないんだよ。お互い仕事していて、夫婦として生活した実感はなく、アッという間に過ぎていった。何十年も経つと、あの時こうすればよかった、とか物足りない部分があった」とわずか１年でピリオドを打った結婚生活を振り返り、「今だから込められる思いもある。歌ってみたい」と話した。

　バースデーライブは１月に発売したオールディーズアルバムの収録曲を中心に歌唱するが、藤さんの歌については「むこう（藤さん）が北海道から、ボクが長崎から“東京砂漠”に出てきて、最後は新宿で命を絶ってしまったからね。『新宿の女』かな」と、藤さんのデビュー曲「新宿の女」などを歌い、追悼したい気持ちを示した。