胃がんのため１９日に死去したフリーアナウンサー・黒木奈々さん（享年３２）の葬儀・告別式が２３日、東京・青山葬儀所で営まれ、フリーの徳光和夫（７４）、同じ事務所のアナウンサー・江連裕子（３８）、若林理紗（２８）らが参列。最後の別れを惜しんだ。

　徳光は「一度会いたかった。残念です」と何度もつぶやいた。黒木さんとは一度も会ったことはなかったが、テレビなどでの活躍を見て「感じの良さ、品の良さ、そして何を伝え相手に聞くかという座標。アナウンサーに必要な３点をしっかり持っている」と、その実力を高く評価していた。

　以前、自身がバラエティー番組に出演した際「今、イチオシのキャスター」として黒木の名前を挙げ、それを知った黒木から感謝の手紙が届き、以後４通ほどやりとりがあった。「一度会おう」と約束していたが、それもかなわなかった。

　この日は「初めて会うのがこういう形になって…」と無言の初対面に無念さをにじませた。以前、黒木さんから取材を受け、病床に励ましのサインボールを贈った元大リーグ・松井秀喜氏も「話しやすかった。記者の目を持って質問していたキャスター、と話していた」という。

　「私と違うのは熱烈は阪神ファンということ」などの素顔のエピソードも明かしたが「２、３年後には時代を担うニュースキャスターになっていた。女性版の久米宏さんになると思っていた」と話すと、天を仰いだ。

　黒木さんは、秦基博の「ひまわりの約束」が流れる中、親族や大勢の関係者に見送られ、天国へと旅立った。