たけしギャグ連発「MOZU」ジャック
人気刑事ドラマの映画「劇場版 MOZU」の「東京国際映画祭ワールドプレミア完成記念トークショー」が27日、都内で行われた。西島秀俊(44)、香川照之(49)、真木よう子(33)らに加え、作中の黒幕「ダルマ」を演じたビートたけし(68)ら豪華出演俳優が出席。たけしはギャグとボケを連発し、トークショーをジャック。作中と同じく、さすがの存在感を示した。
たけしは登場するなり、「こんばんは。福山雅治です。いろんな女に手を出しちゃったんですけど、(所属事務所の)アミューズの株が40%(実際は時価総額で40億円)も落ちた」と時事ネタも交えて早速ひとボケを繰り出した。
たけしが演じた「ダルマ」という役は、頭髪がなく、顔に重いやけどを負っている見た目のため、特殊メークを施して出演した。「ハゲづらをかぶらされて、顔中やけどの役で、だれでもいいんじゃねえかっていう」と自虐的に振り返ったかと思えば、存在感が求められたというキャスティングに触れ、「存在感といったら北島三郎じゃねえか」とぼやいた。
作品では途中まで「寝ているだけ」のシーンが続いたというが、クライマックスでは実際の炎に囲まれて熱演。「ローストビーフ状態」と表現し、「なんで本物の火なんだって(監督に)言った。炎はCGじゃつくれないっていうことで(納得した)」と演出家としての目線でも振り返った。
灼熱(しゃくねつ)のシーンでも羽住英一郎監督は納得がいかなければOKを出さなかったという。「安いソープの客みたいにしつこい。あの粘り方はいい勉強になりましたね。(自分は)ちょっともう1回撮らなきゃいやだなと思っても、『OK!編集があるから』と言っちゃっていたんだけど、もう1回と言わなきゃだめだなと思いました。役者には恨まれるだろうけどね」と監督・北野武としての活動にフィードバックしようとしていた。
もちろん、映画の見所も真剣に紹介。「勧善懲悪みたいな悪と正義みたいな映画じゃなくて、どちらの立場になるとどうなるかっていうのが計算されている」、「ある人にとっては謎解きが楽しいし、ある人にとっては視覚のアクションが楽しいっていう人もいるだろうし、西島くんがかっこいいという人もいる」と魅力を語った。
フォトセッションでは持ちギャグのコマネチを披露。続けて行われた舞台あいさつでは「アンジェリーナ・ジョリーとのセックスシーンで、さすがの私も本気を出してしまいまして。頼むからNGを出してくれと。何回も繰り返したいと…嘘です」と下ネタも繰り出したたけし。「(映画を見ると)逃げた女房が帰ってくる。宝くじを拾ってそれが当たった。いいことばっかりですので」と笑いを交えて来場を呼びかけた。
「劇場版MOZU」は11月7日から全国東宝系で公開される。