チャンバラ山根さん死去ハリセン思い出
時代劇風コントや、大阪名物ハリセンチョップのネタで人気を博した、お笑いグループ・チャンバラトリオのリーダー、山根伸介(やまね・しんすけ、本名・山根利雄)さんが今月14日に、肝臓がんのため、京都市内の病院で死去したことが分かった。78歳。21日に所属事務所が公表した。山根さんは今年5月に肝臓がんで4年前から闘病中であることを舞台上で明かし、52年間続いた同グループ解散の発表会見を開いていた。葬儀・告別式は17日に密葬形式で営まれた。
弟子の漫才師・宮川花子(60)らは21日、大阪市内で取材に対応。今月11日に、山根さんの容態がおもわしくないとの知らせを受け、病院に駆けつけた際、山根さんが覚悟を決めた様子で、花子の手を握り「さようなら…終わった」とつぶやいたことを明かした。これが最後の別れとなり、14日に静かに息を引き取った。
山根さんは昨年末に容態が悪化した際、弟子を病室に呼んで遺言のビデオを撮影していたという。
チャンバラトリオが考案したハリセンについて、弟子の吉本新喜劇・青野敏行(55)は、山根さんが常々、冗談めかして「特許を取っといたらよかった」とボヤいていたことを明かした。山根さんは5月の最後の舞台でも「残念ですが、特許取れなかったので、皆さん、自由自在に使ってください」と“遺言”していた。
青野は師匠から、稽古中にハリセンで叩かれた思い出を回顧。舞台で使うハリセンを折るのは弟子の仕事だったが、かつて折り方が悪かったため、舞台でハリセンで叩かれた山根さんの頬に傷が入り「舞台裏でめちゃくちゃ怒られました。あのときが一番、怒られました」と振り返った。
ハリセンは「たたみすぎると、音が悪くなる。広げすぎると紙の端っこで顔を切る」と取り扱いが難しいのだという。
チャンバラトリオの代名詞ともいえるハリセン。この日、記者から「ハリセンは棺に収めましたか?」と確認されると、花子も青野も顔を見合わせて動揺。花子は「しもた(しまった)。入れたっけ?入れなかったかもしれん」と頭をかいていた。