タレント・志村けん（６５）の母で２３日に亡くなった志村和子（しむら・かずこ）さん＝享年９６＝の通夜が２６日、東京都東村山市本町２の１９の３６、長坂式典センターでしめやかに営まれた。最愛の母との別れに志村は憔悴しきった表情だったが、会場入り口で喪主の長男、知之（ともゆき）氏とともに、気丈に弔問客１人１人にあいさつ。涙を誘った。

　祭壇はピンクのカーネーションと白い菊で彩られ、優しく微笑む和子さんの遺影が飾られた。通夜にはほかに笑福亭鶴瓶、ダチョウ倶楽部・肥後克広、桑野信義ら著名人、関係者、ファンら約６００人が訪れた。戒名は「安寿和心信女（あんじゅわしんしんにょ）」。遺影は９０歳の誕生日に鶴瓶と３人で撮影した後、１人で撮ったもので、気に入っていたという。

　桑野は志村の様子について「直接、お話することはできなかったですが、目であいさつしました。気丈に振る舞われていました」と明かした。

　和子さんは、今夏の舞台「志村魂」（７月３０日～８月１３日、東京・明治座）を観劇に訪れていたそうで、「車イスでしたが、お元気で笑顔でした。志村さんはすごくうれしそうで、明治座のロビーまで出てこられて、親戚の方々と楽しそうに会話されていました」と振り返った。

　和子さんは末っ子の志村をかわいがっており、愛情を注いできた。テレビにも何度か出演した名物ママで、桑野によると、収録スタジオにも顔を出し「康徳（やすのり＝本名）がお世話になっております」と共演者らにあいさつしていた。

　かねて「（志村が）結婚するまで死ねない」と漏らしていたというが、桑野は「志村さんは『（お母さんのために）子供が欲しいんだよな』と言っていた」と秘話を明かした。

　桑野によると、母思いの志村は正月に必ず帰省。時間があれば東村山の実家に戻っていたそうで「こないだ（実家に）帰ってきたんだ」などと話をすることも多かったという。

　志村は２５日のブログで「私の一番のファンの母親が亡くなりました」と報告し、２カ月前から入院生活を送っていたと告白。「私を産んでくれて有難う」と感謝をつづっていた。