人気シリーズの１１年ぶり新作にして完結編となる映画「さらば　あぶない刑事」が３０日、初日を迎え、名コンビ“タカ＆ユージ”として作品を支えてきた舘ひろし（６５）と柴田恭兵（６４）ら出演者たちが都内で舞台あいさつした。

　２人とも役柄と同じサングラスをつけての登場だったが、その向こう側は涙でにじんでいた。最後のあいさつでサングラスを取ると、柴田は目をうるませ、舘は目頭をぬぐった。満席の劇場。「恭サマ～」「タカ～」と声援が降り注ぎ熱気ムンムン。３０年もののシャンパンで乾杯した柴田は「改めて３０年間、みなさんに支えられてやってこられた」と感謝し、舘も「この作品に出会えてよかった。感謝を申し上げたいと思います」と万感の思いを伝えた。

　中盤ではファンからの熱いメッセージを伝えられた柴田が「泣きそうです」と感情を高ぶらせ、舘が「泣かな～い～で～」と代表曲のサビを歌う一幕もあったが、最後は２人とも涙腺が決壊した。１作目からのレギュラーの１人、木の実ナナ（６９）は登場したときから号泣していた。

　横浜を舞台に軽妙なトークとスタイリッシュなアクションで暴れ続けてきたタカ＆ユージが、定年退職するまでの５日間を描く完結編。浅野温子や仲村トオルらレギュラー陣やスタッフを合わせ、のべ３２７媒体の取材を受けて大宣伝を展開してきた。

　全国２５２スクリーンで公開され、配給の東映は「興収３０億円見込みの好スタート」と発表。昨年１２月公開の「００７　スペクター」と同規模の初動を見せているという。同社は「３０年間のラストにふさわしい数字になりそうです。２世代ムービーとして幅広い客層に楽しんでいただき、『さらば』のイベント感も持っていただけているのでは」と説明した。全国的なロケットスタートを受け、スクリーン数が増える可能性もあるという。

　この日までに前売り券は、２０００年以降に東映で配給された実写作品１位となる約６万５０００枚を記録。柴田は「長い間ありがとう。これで最後」と“完結”を強調しつつ「でもアンコールの声が聞こえたら…夢で会いましょう！」と続編への含みも持たせた。