桂春団治さん、最期の言葉はありがとう
上方落語を代表する落語家で、今年1月9日に心不全のため85歳で亡くなった桂春団治さんを追悼する「三代目桂春団治『偲ぶ会』」が12日、大阪市内で行われた。弟子を代表して弔辞を読んだ桂福団治(75)は、春団治さんとの最後の会話を明かした。
福団治は祭壇に飾られた遺影に向かって、「病室での最後の、最後の最後の時ですなぁ。染み入るような声で『ありがとう』っておっしゃってくれました。体中に今も染み渡っております…」と声を震わせながら語りかけた。さらに、何度も叱られたことを回想しながら「弟子として仕えさせて頂いたことを光栄に思い、感謝しております。もう、叱って下さる方がおらんようなりました」と師匠へのあふれる思いを明かした。
この日は、桂米団治(57)、酒井くにお・とおる、海原はるか・かなたら演芸関係者約1000人が出席。六代目笑福亭松鶴さん、五代目桂文枝さん、昨年亡くなった三代目桂米朝さんとともに上方落語の復興に尽力し、四天王と呼ばれた春団治さんとの別れを惜しんだ。
遺影は2006年の「芸能生活60周年 極付十番落語会」での姿。祭壇には「紫綬褒章」、「旭日小綬章」が飾られた。会場の外には春団治さんの着物や扇子など、愛用の品も展示された。