舘ひろしコラム(終)神田との本格共演

 【おれタチの言葉】昨年11月から始まったコラムも今回で最後。ラグビーW杯があって、渡(哲也)が仕事復帰して、40周年記念のベスト盤も出した。年末年始は映画「さらば あぶない刑事」のキャンペーン一色。いろいろあったな。

 25日からはNHK BSプレミアムでドラマ「クロスロード」(木曜、後9・00)が始まる。おれは、捜査していたある事件を新聞にすっぱ抜かれ、エリート街道から外れた警察官の役。因縁の記者を同じ石原プロの神田正輝が演じる。事件から25年後、ともに第一線を退いた2人が再会して…。ざっというと、そんな話かな。

 正輝と連ドラで共演するのは、1990年に放送されたドラマ「ゴリラ・警視庁捜査第8班」以来、26年ぶり。本格的にがっぷり四つでやるのは初めてだね。

 僕は感性で芝居するタイプで、わりといつも揺れている。神田はドンとしているから、やっててやりやすいよ。芝居がしっかりしているからね。

 知った仲だけど、現場では芝居に関しては一切話さない。照れくささとかもないね。それは誰と共演しても一緒。1つのフレームの中で、お互いがそれぞれを表現するわけだから。ある意味、戦いだと思う。すばらしいケミストリーが生まれるのがうれしくて、楽しいんだよね。

 「太陽にほえろ!」や「大都会」を手がけた金子成人さんの脚本はさすがの一言。一読して満足のいくものだった。設定のひとつひとつが巧妙にできていて、どう芝居するか、セリフはもちろん、行間、立ち振る舞いまで研究しながらやってる。昔は台本で4行を超えるセリフは、覚えなかったんだけど(笑)。

 演技を楽しむっていうかね、物作りが好きなんですよ。行間なんて感性。うまいとか、うまくないとかじゃない。アクションはリアクションだと思うから。普段から、どれくらいのものを感じているかだよね。それで演技が振られていく。俳優なんてメッセンジャーだよ。

 来週からは神田のコラムがスタートします。こちらのコーナーも「クロス」だね。

 僕の今の夢は、いつか渡と映画をやること。フレームの中で戦うこと。そのときが来たら、また紙面で紹介させてもらいます。短い間でしたが、ありがとうございました。それでは、コラムも「さらば」です。

  ☆  ☆  ☆

 舘ひろし(たち・ひろし)1950年3月31日、愛知県名古屋市出身。74年に岩城滉一らとバイクチーム「クールス」を結成。75年に同チームの選抜メンバーでバンドを組み、ボーカルとしてデビュー。俳優としても76年に映画「暴力教室」でキャリアをスタート。84年にはソロ歌手として「泣かないで」が大ヒット。83年に石原プロモーション入り。主な出演作に「西部警察」や「あぶない刑事」シリーズ。身長180センチ、A型。

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