つんく♂ 近畿大学入学式に出席
喉頭がんで声帯を全摘出した、歌手で音楽プロデューサーのつんく♂(47)が2日、母校・近畿大学(大阪府東大阪市)の入学式に登場した。昨年の入学式では、声帯の摘出手術を受け、声を失ったことを告白。1年後の入学式では、再び手紙形式でメッセージを送った。
黒のジャケットに喉元をスカーフで覆ったつんく♂はステージ中央に登場。式の終盤に「私は昨年この場で発表しましたように、病気で声帯を摘出いたしましたので、今年も祝辞がお手紙形式であること、どうぞご理解くださいませ」とモニターに文字が流れ始めると、約7000人の新入生たちは食い入るように、見つめた。
つんく♂は「人生なんて気持ち次第。『ああよかったな』と思うか『全然ダメだった』と思うか、それも自分次第ですね」とエール。「厳しい逆境と向き合う中でも『ああ、幸せだ』と感じている人、世の中にはいろんな人がいるでしょうが、心の中は自分で決めるもの。私は心の中が『幸せ』でありたいです」と自身に重ね合わせるかのような言葉をつむいだ。
式には歌手のMay’Jもサプライズゲストとして出演。つんく♂が作曲した「うまれてきてくれてありがとう」を熱唱した。間奏部分でつんくがMay’Jに「ありがとう」とスマートフォンを差し出し、感謝を表した。
またフィナーレではギターをつま弾き、校歌を演奏し、笑顔で口ずさんでいた。またパソコンで文字入力し、司会者とも“会話”。「入学おめでとう」などのメッセージを送っていた。
つんく♂は昨年の入学式で、一昨年10月のがん再発公表後に、初めて公の場に姿を現し、声帯摘出を発表。新入生に向けた祝辞メッセージに、苦しみ抜いた上での自身の決断と覚悟を記した。