蜷川氏とつか氏 二大巨星の邂逅秘話

蜷川実花さんが撮影した遺影がかけられた蜷川幸雄さんの祭壇=青山葬儀所
沈痛な表情で会場に入る西岡徳馬=青山葬儀所
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 12日に肺炎による多臓器不全のため死去した演出家の蜷川幸雄さん(享年80)の通夜が15日午後6時から東京・青山葬儀所で営まれ、吉田鋼太郎、藤原竜也、小栗旬、堤真一、寺島しのぶ、宮沢りえ、内野聖陽、SMAPの木村拓哉ら多くの芸能人や関係者1200人、ファン400人、のべ1600人が参列した。

 俳優・西岡徳馬は、蜷川さんと2010年に死去した劇作家・演出家のつかこうへいさんを引き合わせた秘話を明かした。

 日時は明かさなかったものの、つかさんから「蜷川さんと会わせてくれねえか」と頼まれ、東京・帝国ホテルで蜷川さんを紹介。つかさんが「スターをつくりたい。俺も使うから蜷川さんも使ってくれ」と頭を下げたが、蜷川さんが応じることはなかったという。それでも「お互いリスペクトしていたと思う」と日本演劇界の二大巨星の歴史的対談を懐かしんだ。

 厳しいけいこから、豪快な印象があった蜷川さんだが、西岡は「酒は飲まなかった。けいこが終わるとすぐ帰っちゃう。(飲み屋で)俳優と演劇論を戦わせたりするのが嫌で、一線を引いていた」と意外な素顔を吐露した。

 1974年に上演した「ロミオとジュリエット」以来40年以上にわたってコンビを組んだ。「蜷川さんは戦友。壮絶な戦死をとげた。つまんねえな」と残念がった。

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