NHK 超高速のバショウカジキに迫る
世界で初めて撮影に成功した「ダイオウイカ」の特集を2013年1月に放送したNHKが今度は時速100キロ超で泳ぐ「バショウカジキ」の生態に迫る。18日、「謎の狩人バショウカジキ カリブ海大集結を追う」と題した特別番組を6月6日にNHK総合で午後10時25分から放送すると発表。今回は世界初撮影ではないものの、担当者は「ここまできちんと撮れたのは初めてだと思う」と質に自信を見せた。
メキシコ南東部、カンクンという都市周辺のカリブ海で、毎年1月から3月上旬になると、イワシの大群をバショウカジキが狩りを行う。この模様の撮影に挑んだ。「吻(ふん)」と呼ばれる長い上あごをイワシに猛スピードでたたきつけて捕食する様や、バショウカジキ同士は傷つけないように泳ぐ様など、謎が多い生態を解き明かす。
今回、番組は東京大学大気海洋研究所の岩田高志氏の研究調査に密着。バショウカジキにGPSや加速度センサーなどを備えた行動記録計と、小型カメラを装着させ、データを集めることに成功した。泳ぎ方の秘密、大きな背びれの役割、さらにドローンを用いた追跡撮影で狩りの一部始終もとらえた。
番組の責任者、牛山徹也エグゼクティブ・プロデューサーは「カリブ海の周辺は天気が不安定で、3日に1日しか海に出られない。今年は天気が悪くて、10日ぐらい海に出られなくて、苦労しました。海の専門家の先生も船酔いで苦労されたと聞いております」と苦労を重ねた末の撮影を振り返った。
ダイオウイカの撮影チームとは別部隊だというが、「実際つくっているのは違うチーム。ノウハウを生かしつつ(制作した)」と説明した。