世界三大映画祭の１つ、フランス・カンヌでの第６９回カンヌ国際映画祭で、「ある視点」部門に正式出品された「海よりもまだ深く」（是枝裕和監督）の公開初日舞台あいさつが２１日、新宿ピカデリーで行われ、カンヌから帰国したばかりの阿部寛（５１）、真木よう子（３３）、樹木希林（７３）ら主要キャストが顔をそろえた。同映画祭に初めて参加した主演の阿部は「あの経験は一生忘れないだろうな」と感動を振り返った。

　公式上映後はスタンディングオベーションが約７分間も続く評価を受けた。観客の反応が日本で想定したものとほぼ同じで、「（阿部の母親役の）樹木さんのところで笑ったり泣いたりとかというので反応が直できて、その時点で大丈夫だと思ったんです」と自信を深めた。

　カンヌの町並み自体からも刺激を受けた様子で、「全体的な町の雰囲気だったり、海が目の前にあって、大きなクルーザーがあってその上でもお祭りみたいにやっていて。すべて映画祭のためにみんなすごく盛り上がっていて。一生忘れないと思います」と興奮気味に感想を語った。

　共演した樹木からは「風体がカンヌの町にぴったりなのよ。（映画の舞台の）団地よりも」という報告もあり、カンヌに見事に溶け込んだようだった。