坂東玉三郎「鼓童」演出へのこだわり
歌舞伎俳優の坂東玉三郎(66)が30日、都内で行われた、「太鼓芸能集団 鼓童」の創立35周年記念コンサート(8月18-20日、東京・サントリーホール)の記者懇親会に出席した。
舞踊家としても名高い玉三郎は、和太鼓と舞踊の共通点について問われ「無縁だと思われる方も多いと思いますが、歌舞伎は大太鼓がないと演じられないんです。また舞踊家としても生きてきましたので、音に対するこだわりを持てた。打楽器を流麗にしていくことを考えたのが大きかったかもしれません」と説明。
「歌舞伎もある種、固定概念を持ててしまうものですが、そうじゃない視点を考えていかなければ将来がないですから、鼓童さんにも『これで良し』ということに何の裏付けがあるのか、という話をしてきました」と演出のこだわりを口にした。
また「皆さまの前に立って音楽を奏でると言うことは、どうしても所作が必要」と、音楽面以外での指導についても言及。「過不足のない、重心のとれた立ち方、移動をしていかないとお客さまの前に立てない。そういうことを、舞踊家としてお話してきました」と語った。
「鼓童」は1981年にベルリン芸術祭でデビューし、これまで48カ国で5600回以上の公演を実施。玉三郎は2000年から演出を担当し、12年からは芸術監督を務めている。