岩崎宏美 恩師の遺影に涙で独立詫びる
西城秀樹、浅田美代子ら多くのスターを育て、12日に死去した大手芸能事務所「芸映」の会長・青木伸樹(あおき・のぶむら)氏(享年89)の葬儀・告別式が17日、東京都世田谷区の勝國寺青龍殿でしめやかに営まれ、1975年のデビューから約10年間、同事務所に所属した歌手の岩崎宏美(57)が弔辞を読み上げた。
悲しみをこらえ、恩人の遺影に語りかけるよう弔辞を読み上げた岩崎は、青木氏を「お父さんみたいな人だった」と表現し、「デビュー当時、何も分からない私にたくさんのことを学ばせていただいた」と感謝した。
当時、社長だった青木氏からは「ひろみ」ではなく、「しろみ」と呼ばれ、たびたび「元気か?と頭をなでられた」といい、岩崎も青木氏を愛称の「トラちゃん」と呼び、頭をなでていたことなど、社長と歌手という枠を超えた堅い絆で結ばれていたことを明かした。「仕事に関しては何不自由なく働かせていただいた」と振り返った。
その後、事務所を独立。離れていく岩崎に、青木氏は最後に社長室で「宏美、1人になることは大変なんだよ」と静かに言った。最後の引き留めだった。「私のわがままから離れることになった。若かった私は自分の意志を曲げずにそのまま去った。ずっと心の中に申し訳ない!申し訳ない!という気持ちが心の中にたまっていました。いつか必ずご恩返ししたいとずっと思っておりました。なかなかチャンスがなくて」と話すと、あふれる涙をこらえられなかった。
7年前の50歳の時、五木ひろしの周年のパーティーで青木氏と再会した。「宏美。いい女になったな」と笑顔で迎えてくれた。「本当に、心からの笑顔でした。忘れられない。“いい女になったな”という言葉を胸に、頑張ります。本当にありがとうございました」。涙ながらに遺影に呼びかけた。
この日は、西村知美、櫻井淳子、秋本祐希ら所属芸能人や関係者ら400人が、最後の別れを惜しんだ。