【天皇賞】“平成の盾男”面目躍如
「天皇賞(春)・G1」(1日、京都)
脅威の粘り腰を発揮した2番人気のキタサンブラックがゴール前の大激戦を4センチ差制した。
わずか4センチ差の栄冠に武豊の“技”が凝縮されていた。このレースの勝ち方を最も知る平成の盾男。好騎乗がキタサンブラックを勝利に導いた。
絶好の最内枠からハナを奪い、マイペースを貫く。前半1000メートルに刻んだラップは13秒0-12秒1-12秒4-12秒2-12秒1。その後も11~12秒台を刻み続け、“中だるみ”も全くなかった。
緩め過ぎず、早め過ぎず。その絶妙なペース配分による貯金があったこともあり、ラスト4Fは全てのラップが11秒台に。逃げた上にこの数字で上がりをまとめ、さらに最後に差し返す“お釣り”まで残していた。お見事としか言いようがない。
惜敗2着のカレンミロティックは昨年の3着馬。道中3番手だったこの馬も、枠順と展開を最大限に利用した。一方、1番人気馬ゴールドアクターは外枠の上に、自ら動かざるを得ない立場。勝ちに行く競馬で前をつかまえにいった分、最後は脚が上がってしまった。